『新幹線大爆破』各媒体の画像比較
皆さんこんにちは。東映の『新幹線大爆破』(1975年公開)という映画がありますね。
ファンの間では根強い人気のある作品で、現在はその人気故に数多くの媒体で観ることができます。リバイバル上映、DVDやBD、TV放送、インターネットの動画配信……
いつどこに居ても『新幹線大爆破』を楽しめる、まさに天国のような時代です。
しかし!!!!!なんと各媒体によって作品の画質が大きく異なるのです!!
「放送や配信の過程で動画データが劣化している」という話ではありません。
そもそも放送や配信に用いられる素材が、媒体ごとに微妙な調整をされているのです!
百聞は一見にしかず。
キャプチャ画像を用意しましたので、こちらをご覧ください。
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国内DVD版
まずは日本国内公開版のDVD。タイトル画面の赤文字キャプチャです。
タイトル画面だけでは分かりづらいのですが、やや画像が縦長で役者さんが少しスリムに見えます。(下の画像参照。)
また上下左右がかなり広く表示されており、フィルムのスプライス痕(つなぎ目)もハッキリ見えます。タイトル画面でも左右の黒い部分が大きく画面に写り込んでいますね。落ち着いた色合いで、傷やゴミはほとんど見受けられません。
どうやら何度か廉価版が出ているらしく、その際に画像が調整された可能性もあります。
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Videomarket版
つづいて『Videomarket』という動画配信サイトで配信されているもの。DVD版をベースにしていると思われます。
元になった(と思われる)DVD版に比べるとやや横長になり、ほどよい横縦比率になっています。またタイトル文字の色もオレンジっぽくなっていますね。でもDVD画質なので、Videomarketの高画質モードで観てもあまり綺麗じゃない……
つづいて大手通販サイトAmazonで配信されている『Amazonビデオ』版。
2年ほど間を開けて視聴したところ、どういう訳か赤系の色合いのみ少し変わっていました。
ほとんど同環境で撮ったスクリーンショットですが、もしかするとAmazonビデオのプレーヤー仕様変更で色合いが変わって見えるだけの同バージョンなのかもしれません。
2016年版は2015年9月にBS-TBSで放送されたものと同じ素材です。HD解像度でテレシネされDVD版に比べてかなり鮮明になっていますが、今度は画像がやや横長で、役者さんが少し太って見えます。
また色合いもコントラストがかなり高くなり全体的に暗い印象を受けます。2016年版に関してはは赤文字も鮮やかというより赤黒い感じですね。
つづいて大手動画配信サイト『Netflix』での配信や2016年にNHK BSプレミアムの放送で使われたもの。
インターネット上の情報によれば北米版Blu-rayと同じ素材のようで、もちろんHD解像度でテレシネされたものです。
Amazonビデオ版に比べてほんの少し縦長になっており、ちょうどよい横縦比率です。明るさやコントラストもいい具合で、HD素材の中ではもっとも癖がなく“見やすい”のではないでしょうか。
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国内Blu-ray版
最後に国内Blu-ray版です。2017年に単品でリリースされたものなので、2015年発売の『高倉健主演 東映映画セレクション Blu-ray BOX』に収録されているBlu-rayディスクと画像が異なる可能性があります。
このバージョンの特徴は何といっても明るさです。明るい!Amazonビデオ版と同じくコントラストが高めですが、画面が明るいため新幹線やワイシャツが白く輝いています。その明るさのため、タイトル文字はHD素材の中でもっともオレンジに近い色をしています。
レストア作業は丁寧なようで、各バージョンの画像に映っている「爆」の字の白いゴミも消されています。
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海外版、そして時代は4Kへ
おれが確認している限り日本国内の日本語版デジタル素材としては以上のバージョンが存在しています。
この他にもフランス版とアメリカ版のDVDが『新幹線大爆破 海外版』として日本国内向けにリリースされているほか、世界各国でDVDやBlu-rayが販売されています。
さらにいつの間にか『新幹線大爆破 4Kレストア版』なるものが制作され、2018年12月に東映チャンネルで2Kダウンコンバート放送されました。
年々バリエーションが増えていく『新幹線大爆破』、今後も目が離せません。